No.7 電気温水器「エコキュート」って、本当にお得なの??

最近のオール電化の流れは目覚しいものがありますね。
特に給湯器の分野で言えば、新型電気温水器エコキュート」は、普通の常識から考えると不思議でもあるし、画期的な技術ですね。入力したエネルギーの3倍から4倍の出力を取り出すことができる技術。
普通われわれ凡人が学校で習ったことは、例えば、お湯の分野で言えば、エネルギー100kカロリーから取り出せる熱量は、効率100%でも、100kカロリーが限度と思っていたら。それが400kカロリー近くも取り出せるなんて。まさに魔法の機械ですね。・・・・??でも本当はどうなの疑問がわきますね?
ガス給湯器石油給湯器と比べて本当にどちらがお徳でしょうか???!!
私は、ガス業界の分野で永年仕事をしてきた関係から、業界在籍時は、”それはガスが断然お得”といって商売してきました。
◆退社した現在本当はどっちがお得と聞かれたら。????????・・・・・・?ですね。
真剣に考察してみましょう。
(内容が長くなるがじっくり検討の方は是非お読みください・・・本音の機器弱点はカタログには書いていないよ)


■新型電気温水器エコキュート」の考察
1)機械の生い立ちは。
あまり詳しいことは分からないが、最初自動車関連(デンソー)の業界が、環境の観点から、フロンなどの有害物質を使わない、CO2を冷媒に使ってeco自動車用エアコンの開発で手がけた商品だと聞いています(間違ったらごめん)。この開発過程で、自動車エアコンなどに積載するには小型化に不向きとのことで一時断念した商品を、電機業界の中央研究所(全国の電力会社が共同で資金を拠出して運営する研究機関)がこれに目をつけて、デンソーと共同開発した製品と聞いています。
2)原理、構造は。
(1)通常の一般家庭に使われているエアコンの技術の延長線。
冷媒CO2を使って、ヒートポンプ技術させた構造。
ただ、通常のエアコンで使っている冷媒とは比べ物のならないくらいの圧力を使ってco2を液化させる技術が必要。(通常一般家庭エアコン 10気圧~20気圧→CO2冷媒は、110気圧前後)
(2)エコキュートの構造(内容が多い為下記参照ください)
コロナの「ecoの森、エコキュート」などのwebサイトを確認ください。
サイトアドレスは下記の通りです。
http://www.corona.co.jp/eco/index.html
(3)上で確認されましたように、高圧でのヒートポンプ技術で入力の3倍から4倍の出力を出しています。
機器開発メーカーに言わせれば、6倍程度までは到達できると豪語しています。
3)給湯熱源として、では燃費的に本当にお得?
<比較検討>
電気1kwから取り出せる熱エネルギーは 860kカロリーといわれています。
◆一般4人家族で想定試算してみましょう。
(1)一日にご家庭で使う必要湯量の想定(春、秋) 
 台所 10L×4人、洗面10L×4人、風呂浴槽200L、シャワー洗い湯30L×4人・・・・合計400Lと想定
(2)必要湯温度想定(45℃)・・・  水温(15℃)    
(3)計算・・・400L×(45-15)=12000kカロリー×30日=360000kカロリー/一ヶ月の必要熱量
       360000k÷(860×0.9)≒465kw/一ヶ月の電気使用量
        (電気温水器の熱効率0.9)
       465kw・・・東京電力=10532円・・・一ヶ月の昼間電気料金表より
       (契約アンペア数30Aで計算)
    上記のとおり、通常昼間料金なら当然燃費的に高い。
    よって、ご存知のとおり、通常の電気温水器は夜間深夜料金で契約。
     ∴通常電気温水器(夜間深夜料金)なら=5667円・・契約7k      
   (但し、電気温水器は、夜間沸かして置く為、一番の使用時間帯までに12時間~13時間くらいそのまま保温する為・・・放熱ロスが2割程度経費プラスと考えたほうがいい)
     ∴6370円程度になるであろう。
(4)なら、「エコキュート」ならどうなのよ!
エコキュート」も電気温水器、深夜料金を使用。但し実際の使用電力は効率3倍なら1/3。
       ∴6370円×1/3≒2123円(本当はもっと細かく計算が必要、ごめん!)
注目:・・・テレビコマーシャルでよく目にする”給湯経費、毎月1400円でOK”も使用想定湯量を少し引き下げで、できるだけ早くお湯を使えば?可能かな?
(5)「<strong>エコキュート」の燃費結論・・・放熱ロスなどを考えても2200円から2300円程度では収まる計算になるのだが、実際に使用しているご家庭に聞くと。
多機能型(追い焚き機能つき)などでは、3000円前後はかかるようですね・・・でも安いのでは。
※注意:・・・数字をつかむ為の、ほとんど概算値です。細かくは実際の地域電力会社に聞いてみてください。
4)他の燃料との比較は?おおざっぱに計算して
※但し、ガス給湯器の熱効率83%、石油給湯器は75%で計算。
(1)ガス  ・都市ガス13A   360000kカロリー÷(11000k×0.83)≒39m3  ∴5763円
                   参考・・ガス1?=11000kカロリー
                      ・・単価(?東京ガス一般、基本料金含む)
      ・LPG         360000kカロリー÷(24000k×0.83)≒18m3  ∴8100円
                   参考・・ガス1m3=24000kカロリー
                      ・・単価(m3当たり450円)
(2)石油              360000kカロリー÷(8900k×0.75)≒53L   ∴3975円
                   参考・・石油1L=8900kカロリー
                       単価(1L当たり75円)
5)結論は、一目瞭然
最安値   電気「エコキュート
二番目   石油給湯器
三番目   都市ガス利用のガス給湯器
四番目   LPG利用のガス給湯器 
 
ここで最近、環境型ガス節約給湯器「エコジョーズ」の登場で、ガス給湯器も、現在の一般給湯器に比べて15%~20%位節約できる機器登場。
ガス節約型給湯器「エコジョーズ」なら少しは軽減できる。
都市ガス利用のガス給湯器  5763円×最大0.8=4610円(効率20%アップで計算)
◆LPG利用のガス給湯器     8100円×最大0.8=6480円  
ガスは、現状ではやはり、いろいろな割引特典などを利用して経費削減努力が必要。
6)新型電気温水器エコキュート」一人勝か?
それでは、「エコキュート」の弱点はないのか?
最終的に、どの給湯器に決めるかのポイントは。
燃費以外には
(1)機器の総価格(設置工事費含めて)
(2)安全性
(3)設置条件(大きさ)
◆(1)の総価格
(1)「エコキュート」が60万~80万円
(2)ガス給湯器が20万~30万円(多機能型ふろ給湯器)
(3)石油給湯器が30万前後(多機能型)
◆(2)安全性
(1)「エコキュート」の弱点は、前にも記しました通り、高気圧(110気圧前後)のコンプレッサーの寿命と補修時の交換不能が問題。
(コンプレッサーが高気圧仕様のため通常現地での修理不能・・・気圧が高すぎて事故繋がる為工場へ引き取り修理交換が現状では必要とのこと)・・・コンプレッサー故障時2~3日お風呂へ入れなくなるの?・・・現状では、どうもそのようだが、技術進歩で考えてくるだろう?
(2)ガス給湯器は基本技術的には、安全であるが、基本的にはガスを燃やして熱を作る機械。「パロマ」の事故でイメージが悪くなったようだが、安全装置の更なる改良が必要。・・・今の機械は故障時に安全側で止まるように設計製造されているからさらに安全だが、PRが大切。
(3)ガス給湯器と根本的には同じようなもの。
安全性では、電気が断然有利とは言いがたいのが結論です。どの機器にも弱点あり。今後の課題が残る。
◆(3)機器の大きさ
(1)機器の大きさでは、「エコキュート」断然不利
奥行き1.5m×幅2m程度のスペースを必要
(2)ガス給湯器は、都会向きに超コンパクトサイズ。壁にかければなお省スペース。
(3)石油給湯器は、石油タンクと含めて「エコキュート」に匹敵するスペースが必要。
設置スペース的には、土地の狭い都会向きはガス給湯器、郡部のような土地の広い住宅は「エコキュート」か石油給湯器が有利かな。と思うが、最近の新築住宅動向から見て「オール電化住宅」「オール電化マンション」の普及は目を見張るものがあります。
<ガス機器業界に在籍したOBとしては、ガス業界にもっとがんばってほしい!
◆新たなる給湯器の設置には、以上のような内容を、おおざっぱに把握して、我が家の経済状態、スペース、省エネ性を考えて、いろいろな業者に聞いて結論ください。
お断り
いろいろな業界の方が見たら、文句のひとつも言いたい内容かも分かりませんが、消費者はおおざっぱでも良いから、数字を把握したい為に、参考に提供しています。細かい内容について誤差がありますがご了承ください。もっと細かいことをお知りの方は、メッセージください。
ガス給湯器や電気温水器のトラブル対処法や買い替え専門サイトは下のURLをクリックしてね!
http://www.u-form.net/(買い替えはこちらから!)
http://www.u-form.net/f-jyouhou/toraburu/kikisa-bisu.html(トラブル対処法はこちらから!)
【フリーダイヤル】 0120-046-918