No.131 大先輩の訃報に接して
- 2010.08.26
大先輩の○○さんが亡くなったよ。昔の勤務先の同僚から突然の訃報。
「エ!」 まだ若いでしょう。・・・・ 70歳になったばかりとのこと。今年の春先からガンで闘病中だったとのことです。残念。
この大先輩は、九大出の数字に強い方でした。理論的にわれわれを指導していただいた。営業のイロハも教わった大切な大先輩(上司:当時部長)。
酒も強く、私の若いころ在籍した地方営業所へ良く訪ねてこられた時は、仕事が終わると酩酊するまで飲み明かしたものです。<私も酒が好きで、どこかの有名な酒飲み大会で、一升を”23秒”で飲み干して、会社のお偉いさんに怒られたことがある。若気の至り!馬鹿。>
大先輩は、ガス機器業界の、初期の市場開拓や、製品開発に大きく貢献されました。業界では、機器開発のパイオニア的メーカーで、業界の営業をリードしていた時代の先駆者。
■エピソードとしては。
大先輩が、営業所へ訪ねてきて、得意先の訪問営業してから又例によって、夜は二人して居酒屋で酒盛り。
フラフラになる寸前まで飲んでいたら、突然まじめな顔をして「俺の手相を見てくれ」
大先輩と言っても、自分とは、役職が数段上の方。あまり、このようなことを言われる方ではない。
私も突然の申し出に少し戸惑ってしまったものです。
聞けば、私が趣味で、手相占いをすることを、どこかの営業所で聞いていたようです。
まあ、せっかくのご依頼でもあり、酒の場でもあり。”いいです。拝見しましょう”
※手相は、中国発祥の「統計学」 ” 当たるも八卦当たらぬも八卦” 理論的には全体的に当たる確率が50%以上なら、プロ、50%以下なら素人的な見方を個人的にはしています。
「こんなこと書いたら、その筋の人に怒られそう」・・・・当然私は、”ど素人”
■大先輩の、手相をざっと見て気が付いたのが
1)手相全体ははっきりして、性格的には物事を「白黒はっきり」させる性格。
2)上昇志向:生活向上力のある人特有(生活力、自立力のある人にはっきりと出る)の運命線がはっきり上に伸びている。<一般的には男性に多いが、女性でも、生活力があり職業婦人と言われる方ははっきりと出る。>
・・・・などと、講釈を垂れていたら・・・・・・・「おや!」と気が付いたのが、
生命線の寸断。それもはっきり5mm程度今の年齢に近いところにある。
・・・?で、”大病や事故に気お付けた方がいいですね。少し危険信号が出ています。
大先輩も「え!」といった顔。 「どうなんだ」と少し真顔。
・・・・・・・?よくよ・くシゲシゲと再度拝見。・・・・・・・で、 ”命におかかわる”可能性もあるが、でも大丈夫です!”と断言。”ここを第二生命線が補完しています”・・・よく手相を拝見すると、断絶した生命線横にはっきり、少し赤みかかった線が、その途切れた部分を外側で補完している。
・・・・「ア!そうか大丈夫か?」すこし不安そうだが、少し安心した顔。
この時の会話が、なぜあったかは後でわかった。その日は又夜遅くまでフラフラになるまで飲んで、翌朝飛行機で帰って行かれました。
後で聞いた話ですが。”翌日はひどい二日酔いで、機内でモドシタとのこと。”・・・後で同僚に言われた、「あなた、飲ませ過ぎだよ、帰ってから、心臓の手術のために入院するというのに!」・・・・エ~!。それは知らなかった。本人は何もおっしゃらなかった。確かに前に心臓は悪いとは伺っていたが。まさか手術前とは。
・・・・・・・・・で、前の話が納得。
心臓手術は、当然命にかかわる大手術。大先輩も、心配だったのだろう。
私のような、素人占いのペテン師みたいなものに、聞いてみたかったのか。
でも・・・・・・・当然手術は成功して元気で退院されて職場復帰。
また、お会いしたときに伺った「私の素人占いで失礼しました」・・・・・・・
でも大先輩曰く「いや、あの話は勇気になったよ。正直不安も多く、”藁にもすがる心境”だった。あの時君に明確に回答をもらった時正直ホットする気持ちもあった」とのこと。・・・何となくホットしたことを思い出します。
・・・でも、その時再度手相を拝見させていただいたら。人の生命力の強さか。生命線の断絶が消えて繋がっていて、第二生命線も消えていた。これもまた不思議かな。
ただ、よくよく考えると。あの場はそれでよかったが、人の生死にかかわるような発言は慎まなければなりませんね。・・・それ以後、大先輩との酒はほどほどの付き合いにしていました。
会社の役員までなられて、これから会社のために、大いに貢献いただける方と思っていたら。
55歳の定年で、あっさり退社されてしまった。われわれ下の者には、会社の経営的なことで何があったかは知らないが、貴重な人材がすんなりと退社したことに、一抹の不安を覚えたのも正直あった。
退職後、一級土木の免許を取って活躍されていると伺っていたが、人生「寿命には勝てない」
確かに、短い人生だったが、これも人の「運命」・・・生きる使命を全うされてのことと思います。
われわれのような団塊の世代になると、これからもこのような訃報に接することも多くなるだろう。
ただ、皆さんそれなりに与えられた運命を生きてきた。全うされてこられたと思っています。
又自分自身もまた、全うしてきていると思っていますし、これからも又多くの生きている価値を見出していけたらと考えます。
ご親族の方は、悲しみでいっぱいと思います。が、生きてきた証は厳然とあります。
大先輩の”ご冥福を心よりお祈り申し上げます。”・・・又今度はこちらから訪ねて行きます。