No.130 ガス石油機器(温水機器)メーカーの現状と今後の再編の行方

ガス石油機器工業会の、統計データーによれば、ガス温水機器の2010年度メーカー販売予測金額は、1457億円、石油温水器は337億円で、2009年度に比べてほぼ横ばい。
ただ、ここ過去10年程度の推移で見れば、若干減少傾向。ただその中でもガス温水機器の分野で見れば、2強と言われる温水機器メーカーの占有率が上がっている。まさに、2強2弱の様相で、勢力図ははっきりしてきた。又一般向け石油温水機器メーカーも、毎年出荷台数・金額とも下降気味の市場の中で、代表3社が3竦み状況で、他の分野への進出を主体とした動き顕著。
◆この影響は、当然「エコキュート」に代表される、オール電化の流れの中で埋没するガス業界の姿を映しているのだろうか。
◆ならばこの状況を、打破するために、メーカーがとる次なる経営戦略は。
1)海外市場へのより一層の開拓
2)他の燃料分野への進出
3)業界の再編
代表的にはこの3点だろうか?
※1)海外市場の開拓。
現在、アメリカや、中国をはじめとしたアジア地域への市場進出はどのメーカーもある程度は進めている。
パロマは、主力の売り上げを、アメリカの関連企業が担っている。パーパスは、アメリカの業界大手会社と業務提携で乗り切ろうとしている。当然主力2社は、アメリカ、中国に拠点があり生産工場も持っている。
当然今後も拡大戦略は取るであろう。
※2)他の燃料分野への進出
この分野へ進出するのは当然と言っていいが、ただ、ガス温水器メーカーは大手都市ガス業界などに気兼ねして動けないでいる現状。でも、そんな事を、言っていてはたして生き残れるのか?一歩垣根を超える勇気が必要ではないだろうか。
最近、太陽光利用などで若干足場は築き始めてはいるが、まだ、目に見えるものでなく消極的と言わなければならない。
※3)業界の再編
この動きは当然なるであろうと予測。
今のままでは動きのとれない、温水機器メーカーもあり、さりとてこのままの状況の推移でいけば確実に、淘汰の波をかぶることになるであろうジレンマの狭間にある。
◆今後ありえるのは
①大手2強の、吸収合併
②その他メーカーの連合・・・・はたして?。
①は、状況としては、過去のガスター、ハーマンなどが大手メーカーに吸収されたような動きは少ないのではと予測。<今の状況ではメリットが少ない>
ならば、②の、その他メーカーとの連合の可能性はあるだろうか。
これは、今の現状打破を考えた場合、ガス・石油と言った垣根を越えての可能性ありと見た方が妥当かも?
気持ち的には単独で、残ってほしい。
■その、今後の流れを左右するのが、今年発表された「エコジョーズ化宣言2013」
省エネ対策や、オール電化対策のため、ガス給湯器を2013年3月までに全てを「エコジョーズ化」しようとする動き。 <現状、「エコジョーズ」ガス給湯器の伸び率170%>
・・・・残り後、「3年弱」・・・。
■エコジョーズの機能開発競争と低コスト化競争 
省エネ給湯器「エコジョーズ」の製品開発は、温水機器メーカーのパーパスと大手都市ガス会社、大阪ガスの共同開発で市場に出して、それ以後大手2強が参入競争が激化。
ただ、資本力の違いか、大手2強の独断場状況になっている昨今の状況から、2013年をにらんで、取り残されまいとするメーカーの動きも活発となるだろう。その意味で業界再編ありと読む。それも、近い将来。
ただ、なにわともあれ、エコジョーズの機能開発と低コスト化は必然的要求だろう。コストは、一般ガス給湯機並み金額に近づける必要がある。
はたして、どのメーカーが最初に仕掛けるか。これにより業界の全体像が分かるだろう。
狭い市場の中で、生き残りをかけた企業間競争。大変ですね。
◆ただ、購入側の消費者には、メリットありと読んだ方がいい。また、われわれ販売店は、コストが下がり、市場の活発化大いに希望が持てる。
・・・・がんばれ、”日本ガス石油機器工業会”・・・・・